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ウチの王子

おなかの赤ちゃんにタッチしようよ その8

そしていよいよ分娩室に入る瞬間がやってきました!

それは月曜日の午前8時直前。
「おとうさん、入ってください。」

看護師さんの声。



パパは恐る恐る中に入っていきました。

中ではママが分娩台に足を広げ、
院長先生、助産師さんが
産道をのぞきこんでなにやらしています。


ママも苦しそうではありますが、予想したような
激烈な痛みで叫びまくるというような状態では
ないようです。


ママの足は向こうを向いているので
先生たちが何をしているのか
産道の状態がどうなっているのかは
うかがい知る事はできません。


看護師さんのすすめるとおり
ママの手を握って
少しでもママがリラックスできるように
心がけるだけです。


「もうすぐですよ〜。」
院長先生の声。


え?もう?


次の瞬間にはツルリンっといった感じで
ママの股間あたり(見えません!)から
真っ赤な赤ちゃんが出てきました!


院長先生は赤ちゃんを
ママのお腹の上にトンっと座らせました。


「はい、あなたたちの赤ちゃんですよ〜♪」


小さな小さなかわいい声で産声を上げている
目の前の赤ちゃんはまぎれもなく
パパとママの子なんです!


「ありがとうございました!」
最初に声を出したのは
いま出産したばかりのママだったのです。


パパはママの耳元に口を近づけ
「ママお疲れ様、ありがとう!」
というのが精一杯でした。




そして再び赤ちゃんに目を向けました。


生まれてはじめて空気にふれたその肌は
全面まるで粘膜というか
触れたらそこがはじけて血が出そうな感じで、
痛いんじゃないかと思って触ることもできず
彼の姿を恐る恐る見るだけです。



「安産でしたね。」
「触ってもいいですよ。」
先生がおっしゃるので
おそるおそる二の腕のあたりに触れて見ました。


やわらかく弾けそうなほど弾力のある肌です。
抱っこさせてくれるのかな?


「はい、では体を洗いますのでいったん連れて行きます。」




ありゃりゃ!?



このまま保育器に入っちゃうんだろうか?



仕方がありません。
ママにお疲れ様を言って分娩室から退室しました。



外にはお義母さんがいます。
「どうだった?」


「無事に生まれました。すごい安産だったそうです。」
「よかったねえ。」


そのとき、タオルを巻いた赤ちゃんを
看護師さんがつれてきました。



ちいさなちいさな赤ちゃんを
恐る恐る抱っこします。



本では生まれたばかりの赤ちゃんでも
目は見えるそうです。
ただまぶしさに慣れていないだけ。



パパは赤ちゃんの目の上に
手をかざしてまぶしくないようにしました。



すると、赤ちゃんが少し目を開けるのが見えました。



「はじめまして。パパだよ、よく生まれてきたね。
えらいぞ。これからよろしくね。」



胎教のときに聞いた声だとわかったのでしょうか。
一生懸命こちらを見ているのがわかります。



きっと焦点は合っていないのでしょうが
パパの声と雰囲気は伝わったでしょうか。



必死に開いているその目が愛らしくてたまりません♪



おばあちゃん(お義母さん)に
そっと渡すと、おばあちゃんも
必死に覗き込んでいます。




ほんのちょっとの間でしたが
感動の出会いをすることができました。



いまでも出産に立ち会って
よかったと心から思っています。




おなかの赤ちゃんにタッチしようよ
(出産編おわり)

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